わかりやすく営業職で例えると、契約につながる商談や新商品のプレゼンテーションなど、「売上(価値)に直結している作業」が正味作業です。

 直接売上につながるわけではないけれど、商談に必要な資料の準備、現地までの移動などが付随作業となります。

 これらに対して、確認不足や指示の取り違いによる資料の修正ややり直しなど、本来避けて通れたはずの「売上(価値)にまったくつながらない作業」がムダ作業となります。

●STEP2 作業別にムダを見つける

(1)ムダ作業:成果から逆算する

 いうまでもなく、最初に減らすべきはムダ作業です。ムダ作業の唯一良いところは、すぐ判別できるところです。一度立ち止まって過去の仕事を振り返り、成果から逆算して、必要不可欠な作業だったか振り返ると、ムダ作業を見分けることができます。

(2)正味作業/付随作業:繰り返し作業に着眼する

 さて、問題なのは、一見すると必要不可欠に思える正味作業や付随作業に隠れたムダ取りです。正味作業は難易度が高いため、付随作業から始めていただきたいのですが、付随作業には、パッと見ただけでは気がつかない「(付随作業に)へばり付いた」ムダが多く潜んでいます。

「絶対に必要な作業」という思い込みを捨てて
「マジメ×手抜き」発想で作業を見直してみる

 例えば、営業社員が新規開拓のために見込み顧客と商談する場合を考えてみます。訪問前の資料づくり、直接訪問の移動時間などが付随作業にあたるわけですが、商談を成功させるために万全を尽くしたいという気持ちが強ければ強いほど、入念な資料づくりや対面商談にこだわりすぎてしまう傾向があります。

 そこで「商談を成功させるために絶対に必要な作業だ」という思い込みを捨てて、ここでも一度「マジメ×手抜き」で発想をしてみましょう。特に、着目してもらいたいのが、繰り返し行っている付随作業です。