「マジメ×手抜き」は
2ステップで進める
●STEP1 手抜き思考 ~「仕方ない」を捨てる
日々の業務の中で、「なんかこの作業って面倒だな」と思ったら、「でも仕方ない」と蓋をせず、「どう手を抜くか」と考えてみることから始めましょう。
「手を抜く」具体的な方法は、次項以降で詳しく紹介していきますが、まずは次のような場面で、(1)労力を減らせないか、(2)時間を減らせないか、という視点で考えてみます。
【「面倒だな」と感じる仕事の場面】
□ややこしい/複雑すぎる仕事 □プロセスや手順が多すぎる仕事 □都度対応が多すぎる仕事 □手作業が多すぎる仕事 □繰り返し作業が多すぎる仕事 □やり直しが多すぎる仕事 □必要人員が多すぎる仕事
●STEP2 マジメ思考 ~ リスクを想定して先手を打つ
STEP1で「仕方ない」を捨て、手抜きの候補を見出したら、次は実際に手を抜くことを考えます。ただし、安易な手抜きを行うと、悪い結果につながり、かえって労力や時間がかかってしまうこともあります。そうした状況を避けるために、トヨタではただ手を抜くのではなく、それによって起こりうる問題やリスクをあらかじめ想定し、対策を用意していました。
「人間はミスをするもの」という
前提で対策を
トヨタで理想とされるのは、手を抜くことによって生じる間違いやミスを避けるために、「間違えたくても間違えられない仕組みづくり」です。
例えば、顧客訪問後にお礼メールを送る業務を想定してみましょう。最初は丁寧に一つひとつ文面を変えて作成していても、担当先が増え1日に複数の顧客訪問を行うようになると手が回らなくなります。つい、過去メールを安易に流用してしまうこともあるでしょう。誰もがやりがちな「手抜き」です。
このような、「安易(いい加減)な手抜き」にはリスクがつきもの。うっかり顧客の会社名や担当者名などを変え忘れて送信してしまった経験をお持ちの人もいるでしょう。