また山崩れが発生し、台湾新幹線は全線で運行を見合わせた。最大35万戸が停電し、広い範囲で水道やガスが止まるなどライフラインに大きな影響が出た。米アップルなどに半導体を提供している大手の台湾積体電路製造(TSMC)は、北西部と南部の工場から従業員を避難させた。

 台湾の中央気象署は地震のあと津波警報を出し、北東部の宜蘭県で82センチメートル、東部の台東県で54センチメートルの津波が観測された。日本ではこの地震によって沖縄県の与那国町で震度4を観測した。

 気象庁は直ちに宮古島・八重山地方と沖縄本島地方に一時最大3メートルの津波警報を発表した。その後、与那国島と宮古島で30センチメートル、石垣島で20センチメートルの津波がそれぞれ観測される。午前10時40分に気象庁は津波警報を注意報に切り替えた。

プレートの境界に位置する
台湾で地震が頻発している

 2024年4月の地震の震源付近ではM6クラスの地震が年1回以上の頻度で起きていたが、M7クラスは少なかった。たとえば、2022年に台湾東部・台東県で発生したM6.8の地震では1名が亡くなり、140名以上がけがをした。また花蓮県では2018年2月6日にもM6.4の地震が発生し、ホテルの建物が崩れるなどにより17名の犠牲者が出た。