また本震の後に多数発生した余震の震源を見ると、本震の震源以北と花蓮県を南北に走る米崙断層、及びその延長線上にある海域周辺に分布している。ちなみに、こうした逆断層は2024年元日の能登半島地震で海底の活断層で起きた動きと同じである。

台湾の防災体制に世界が驚愕
迅速な対応で人的被害は最小限に

 2024年4月に台湾東部の花蓮市で発生した地震では、M7.2という規模の大きな地震の割に、人的被害が比較的少ないことが話題になった。台湾は日本と同じく地震の多発地域である。よって、地震の防災体制を含めて被害が抑えられた理由を考えてみる。

 震度6強の揺れを観測した花蓮市は自然の豊かな観光スポットとしても知られているが、地震直後の台湾当局の対応が迅速だった。現地時間の午前7時58分に発生した地震は朝の通勤・通学時間帯に重なっていたが、地震後1時間で準備を開始し、2時間で緊急避難所が設置され、130人を超える住民が避難した。

 多くの避難所が3時間以内に稼働というスピード開設には世界中が驚いた。これは2018年2月に発生し死者17名を出したM6.4の地震後に、花蓮県が警察やNGOと地震防災の連携を強化した成果と考えられている。