台湾の緊急地震速報の仕組みは、ほぼ日本と同じである(下図)。さらに迅速で的確な対応が可能となった理由は、台湾の地震警報システムが中国からのミサイル攻撃に対して発令されるシステムを使っているからとされる。自治体に24時間体制で配備された救助隊は、災害の発生とほぼ同時に対応できる。これにより、本震で崩れかかった建物を余震で倒壊する前に撤去することにも成功した。
4月3日の地震は過去25年に発生した中では最大規模で、1999年の地震では2000人以上が死亡した。これは9月21日に発生したため「921地震」と呼ばれ、台湾では防災訓練の日に指定されている。ちなみに、日本で関東大震災が起きた9月1日を「防災の日」としているのと同じである。
台湾大地震が示した教訓
日本も防災技術を学ぶべき
これまで台湾では1982年に建築法を強化して耐震設計を義務化し、1999年の地震以降には欠陥工事を極力防いできた。また首都台北にある101階建て超高層ビル「台北101」は、震度5強水準の揺れを受けても振動を小さくするダンパー装置が働き注目を集めてきた。