条項例(1)は「孫に少しお金を遺したいんだけど、この先、孫が何人できるかわからないのよね。ただ、とにかく孫たちには差をつけたくないの」という遺言者さんの希望に沿って起案したものです。

条項例(1)

第○条 私は甲銀行乙支店の預金のすべてを次のとおり相続させ、または遺贈する。
    長男○○○○に対し4分の2
    長女○○○○に対し4分の1
    孫 ○○○○(前記長女の長女)に対し4分の1


第○条 もし私が亡くなった時に前記○○○○以外にも孫がいた場合は前条により同人に遺贈するとした割合の財産を同人も含めた孫全員に均等に遺贈する。

 ちなみに遺言者が亡くなったときに嫁や娘が妊娠中の場合には、そのお腹の中の子は産まれていたものとして他の孫と同じく遺贈を受けることができます。

 さて条項例(1)の場合、遺言者が亡くなった時点で、仮に長男に子が2人、長女に子が3人(遺言書記載の孫を含む)の計5人の孫がいたとします。甲銀行乙支店の預金額が4000万円の場合、この遺言書では、長男は2000万円、長女は1000万円、そして5人の孫が1人あたり200万円(=4000万円×1/4×1/5)を取得することになります。