「内縁の妻に財産を遺したい」→行政書士の教える「遺言の書き方」が具体的だった写真はイメージです Photo:PIXTA

まだ見ぬ孫や内縁の妻、同性のパートナーなど、相続問題では比較的レアなケースの具体的な解決策とは?自身も相続問題に見舞われた経験を持ち、2000件を超える相続遺言実務を行ってきた相続遺言専門行政書士の佐山和弘氏が、最も有効な遺言書の書き方を徹底指南する。※本稿は、佐山和弘『「本当に」使える遺言書の取扱説明書』(中央経済社)の一部を抜粋・編集したものです。

まだ見ぬ孫に遺産を託したいならば
起こり得る事態を想定して遺言すべき

 遺言書を書いた当時と遺言者が亡くなったときとで、周りの状況が変わることはよくあります。

 たとえば、遺す相手が若くてまだ子どもができる可能性があることや、あるいは遺言作成時は独身だった子どもが遺言者が亡くなったときには結婚して子どももいるということも当然ありえます。

 もちろん都度都度で遺言書を書き直すこともできます。しかし、その書き直すこと自体を忘れたり、専門家に書き直しの依頼をする場合は費用も掛かるので、遺言書を書き直さないままとなっていることもよくあります。

 また、認知症等で判断能力がなければ書き直したくても有効に書き直すことができません。このように実際に遺言書を書き直すことはけっして簡単ではありません。それならということで、条項例(1)のように最初から起こりうる事態に備える予備的条項を記載しておくことをお勧めします。