新幹線荷物輸送「はこビュン」で
ニーズが高い3つの商品
背景にあるのは、コロナ禍における新幹線の有効活用として注目を集めた「荷物輸送」だ。JR東日本が荷物輸送サービス「はこビュン」の定期輸送を始めたのは2021年10月だが、検討自体はコロナ以前から着手していた。
きっかけは2017年7月に東京駅で行われたイベント「朝採れ新幹線マルシェ」だった。その日の朝にJR東日本エリア各地で収穫した野菜や果物を新幹線で運んで東京駅で販売したところ、荷主・消費者とも好評だったことから、新幹線荷物輸送の可能性が見えてきた。
特にニーズが高いのは生鮮品で、中でも高価格帯の果物の取り扱いが増えている。イチゴやサクランボなど、振動や温度変化に弱く傷つきやすいものは、揺れの少ない新幹線が適しており、多少運賃が高くても利用する価値があるというわけだ。
はこビュンは医療用の検体の輸送にも活用されている。地方の病院から設備の整った東京の検査機関に最終便で検体を送れば、24時前には確実に東京に到着し、翌日午前中には検査結果が出る。また、施設や工場などで機器が故障し、急遽部品を調達するニーズもあるという。