JR貨物はJR旅客会社と連携し
貨物新幹線に取り組むと発表
そこでJR貨物は2021年、「JR貨物グループ長期ビジョン2030」の中で、JR旅客会社との連携による貨物新幹線の実現に取り組むと発表した。トラックドライバー不足への対応やカーボンニュートラル達成など物流問題解決策として注目され、国土交通省が2022年に設置した「今後の鉄道物流の在り方に関する検討会」でも「新幹線による貨物輸送の拡大に向けた検討の具体化」が提言された。
貨物新幹線はどのようなものになるのか。JR貨物の資料には新幹線の車内にコンテナやパレットを搭載するイメージ図が掲載されているが、現時点でははっきりしたことは決まっていない。
JR貨物は2030年頃をめどに導入の可否を判断するとしている。北海道を発地とする輸送品目はジャガイモやタマネギなど農作物が約半数を占めているが、これらの大量かつ単価の低い貨物に対応できるのかなどが課題になるだろう。
JR貨物に今回の「貨物新幹線」報道について聞いてみると「詳細を承知しておりませんので、コメントは控えさせていただきます」としながらも「現在、旅客会社が行っている荷物輸送は長距離、大量輸送を得意とする当社の輸送とはニーズが異なるものと考えています」として、役割が違うと話す。
「貨物新幹線」と「荷物新幹線」がそれぞれ、どのように発展していくのか、2030年代に向けて本格化する動きに注目したい。