もう1つのリスクは、塾の先生や友達からのプレッシャーにより、必要以上に不安になってしまうことです。塾では常に成績を競わされ、家に帰っても親が勉強をさせようと待ち構えている。そのような心休まらない毎日が、子どもの脳育てにいい影響があるとは到底思えません。

 では、どうすればいいのか。私たちの理論は、「生活が脳を育てる」というものです。

 子育て科学アクシスでは、脳科学や心理学、教育学の専門家が、エビデンスをもとに、より良い脳育てのための生活環境づくり「ペアレンティング・トレーニング」(親側の子育ての訓練)を実施しています。

 この「ペアレンティング・トレーニング」の理論に基づき、ハードな塾通いをさせるわけでも、放任するわけでもなく、日常生活の中で子どもの脳を着実に育てる方法をお伝えします。

 規則正しい生活の中で、よく食べ、よく眠り、子どもも家族の一員としての役割をしっかりと果たす。たったそれだけのことで、さまざまな症状を抱えていた子どもの心身はもちろん、親の状態もみるみるうちによくなることがあるのです。

 子どもの成長に合わせて脳をバランス良く育てることができれば、詰め込み式の勉強を強制しなくても、子どもは自ら勉強を楽しめるようになることも多いのです。