そこでとりあえず塾に通うことをやめてもらい、早寝早起きの生活習慣を取り入れてもらったところ、みるみるうちに息子さんの状態が良くなっていったのです。

 ある時、お父さんがふと息子さんを見ると、机に向かって何かを一生懸命書いていたそうです。聞くと、自分で思いついた小説を書いているとのこと。

 文章を読むのが苦手で、自分で物語を書くことなんて絶対にできないと思っていた息子が、壮大な長編小説を書いていて、しかも読ませてもらったら内容も面白い。お父さんは驚きを通り越して感動してしまったそうです。

 こうした創造力があるのは、脳がちゃんと育っている証拠です。そのことを伝えると、お父さんは「この子は大丈夫だ」と安心し、それ以降はテストの点数に一喜一憂することもなくなり、過干渉もなくなりました。

 こうした子どもの発達は、学校のテストでは測れません。毎日の生活を通して、親が気づいて認めてあげることで伸ばすことができるのです。

親が子どもを
観察することが大切

「そうは言っても、やはり子どものテストの点数や成績が気になるし、見たら一喜一憂してしまう」という親御さんもいらっしゃると思います。親として、子どもの成績を見ること自体は悪いことではありませんが、かといって学校の成績を当てにしすぎるのも危険だと思います。