子ども写真はイメージです Photo:PIXTA

早期教育が過熱する現代において、よかれと思った教育が子どもを追い詰めているケースは決して珍しくはない。脳科学の正しい知識で自分の娘を「塾通い最小限、睡眠たっぷりで中学受験成功&医学部まで合格」させた著者が教える、脳科学の正しい知識を最大限に駆使した教育法とは?本稿は、成田奈緒子『子どもの隠れた力を引き出す 最高の受験戦略 中学受験から医学部まで突破した科学的な脳育法』(朝日新聞出版)の一部を抜粋・編集したものです。

ハードな塾通いは
子どもの心身を潰す

 中学受験を目指す小学生の中には、毎日のハードな塾通いによって心身を壊してしまう子どもが本当にたくさんいます。

 私が代表を務める子育て科学アクシスには連日、そのような親子が相談にやってきます。

 私は学習塾の存在を一概に否定するつもりはありません。ただ、子どものタイプや塾の教育方針によっては、一定のリスクがあることを知っておいてほしいのです。

 リスクの1つは、低年齢からのハードな塾通いと、塾で出される膨大な宿題によって生活リズムが崩れ、脳の大事な部分が育たなくなることです。

 小学生のうちは、脳の土台部分を育てる大事な時期であり、十分な睡眠と規則正しい生活が何よりも大事です。夜遅くまでの勉強で生活リズムが乱れ、睡眠不足が続くと、自律神経の不調によるさまざまな身体症状が現れる可能性があります。症状は頭痛や腹痛、吐き気、腰痛、不眠、じんましんなど人によりさまざまです。

 仮に志望校に合格できたとしても、そうした不調に悩まされ、入学後に不登校になったり、中退してしまったりするケースが後を絶ちません。