これには結婚歴の有無と、「最後の恋を探す」という『あいの里』の番組の趣旨も関係しているかもしれない。燃えるような恋心は時間の経過と共に減衰していくものだが、長い時間をそのパートナーと過ごしていくなら、その熱い恋心が消えた後でも「性」は2人の間に存在する。

そして、セックスレスが離婚の原因になり得るくらい、性は2人にとって決して小さくない問題である。そしてできることなら、性に対する姿勢が自分と近いパートナーを選んだ方が、無理なく、心地良く過ごしていくことができる。

 熱い恋心が消えた後の性に向き合ったことのある経験者は、「生活の中にある日常的行為としての性をどう扱っていくか」に、少なくない関心と興味と警戒心を持っているようである。

フレッシュさはないが
中年ならではの「恋の輝き」とは

 以上が中年の恋に見られる主だった特徴である。若者の恋のようなフレッシュさはないが、やはり恋は年齢に関わらず人を不器用にするし、懸命にするし、輝かせるもののようである。その実際の様子に興味のある人は『あいの里』の視聴を勧めたい。

 また、恋をしている、または恋をする予定のある中年以降の男女にとって、本稿が自分を客観視し、恋をより有意義なものとする際の一助となれば幸甚の至りである。