子ども写真はイメージです Photo:PIXTA

「はい、論破」と会話を一方的に打ち切り、相手を言い負かして快感を得る風潮が強強まっている昨今、子どもたちの世界にまでそのブームは波及している。幼い頃から言葉で相手にマウントを取っていると、相手の言葉に耳を傾けられず、筋道を立てた議論や対話ができない大人になってしまう可能性も。我が子が言葉で“マウント”を取ってきたときの対処法とは?プレゼンアドバイザーの竹内明日香氏が解説する。※本稿は、竹内明日香氏『話す力で未来をつくる~プレゼンアドバイザーが伝える 子どもの思考力 判断力 表現力を伸ばすチャレンジ~』(WAVE出版)の一部を抜粋・編集したものです。

子どもにも流行っている
「はい、論破」をどうするか

 最近、友達との会話や授業中に「はい、論破」などと言って、相手を言い負かそうとするお子さんたちが増えているそうです。時には、けんかに発展してしまうこともあるといいます。このような強い言葉で相手より自分の方が上だという態度を示す、いわゆる「マウントをとる」お子さんに対して、保護者はどのように対応すればよいのでしょうか。

 以前から、テレビなどで影響力のある大人の発言を真似するケースはありましたが、最近は動画やSNSなどから、よりスピーディーかつ広範囲に伝わる傾向が見られます。この状況がエスカレートすると、意図せずして誤解や孤立を生んでしまい、いじめにつながる可能性もあり、見過ごすことはできません。

 流行り言葉を使って、相手の発言をさえぎったり、言い負かそうとしたりすることは、実は幼児や子どもに限らず、大人も含めさまざまな年代で起きています。こうした行為の背景には、自分に自信はないものの、周囲に強く出ることで認められたいという一種の承認欲求があります。なお、保護者に厳格に育てられたお子さんの方が、この傾向を持ちやすいとの研究結果もあります。