では、お子さんが強い口調で相手にマウントをとるような発言をしていた場合、保護者はどのような対応で臨めばよいのでしょうか。

 お子さんの主張が、あるテーマについての議論の中で、客観的な事実やデータをそろえた上で、「こういう見方もできる」と言っている場合は、十分褒めるに値します。

安心して意見の言える家庭なら
「はい、論破」は出てこない

 しかし、「はい、論破」などと言って対話を一方的に打ち切ろうとしたり、本来の議論から方向性を変えて「論点ずらし」とも思われる主張をしたりするのであれば、それは注意が必要です。あまりに浅はかだと感じられる場合は、「それではちゃんとしたお話ができないよ」「相手との信頼関係がつくれないし、あなたも大切にしてもらえなくなるよ」と指摘すべきです。

 お子さんが、まわりの話を聞いた上で、きちんと筋道を立てて対話や議論ができるようになるためには、保護者の方がお子さんの意見を受け止めることが肝要です。お子さんにとって、ご家庭が安心して意見を言える心理的安全性が保たれた場所であり、その中で、論理的な考え方や会話の練習を積んでいけるのが望ましいと思います。