また、水に触れることでも心を落ち着かせることができるので、流水を手で触る、あるいは温かいお風呂に浸かって、リフレッシュするのもいいでしょう。

 怒るのは良くないことだと考え、「怒っちゃだめ」と自分に言い聞かせて我慢しようとする方もいらっしゃいますが、これはもう火が付いてしまっているのに、「燃えないで!」と念じているだけの状態なので、正直効果はありません。

 最初にお話ししたとおり、怒りは本能によるものなので、なくすことができないのです。

 それよりも、予防策と初期消火を意識するほうが、自分にとっても相手にとっても良い結果をもたらします。

 家族、パートナー、友人、同僚、上司や部下、憧れの芸能人――相手が誰であっても、自分の思いどおり、理想どおりにはなりません。

 怒りの感情が生じたときは一歩引いて「自分の妄想が原因だな」「自分に都合の良い期待をしてしまっているな」と認識すること。

 そして相手と喧嘩になってしまった場合には、燃え広がるような燃料を投下せず、その場から離れて冷静になること。

 これが、怒りで心を消耗させない秘訣です。