「怒りに燃料を投下している
自分」に気づくことが重要

 例えば、夫婦で意見が食い違って、口喧嘩になったとしましょう。お互い相手に対して怒っていて、一歩も引かなかったとします。

 しかし、その際にくり出される「売り言葉に買い言葉」が、怒りの燃料になっているのです。

 最初は「今日の洗濯物を洗濯カゴに入れていなかった」のが発端だったとしても、「そういえばこのあいだはゴミの捨て方が間違っていた」とか「前から思っていたけど食器の洗い方が雑だ」などと、その日の話とは関係のないネタが燃料としてどんどん投入され、ボヤで済むはずが、大火事に発展してしまうわけです。

 こうなると、喧嘩に勝つこと、あるいはなんとかして自分が正しいことを認めさせることが目的になり、相手に打ち勝つためにあらゆる材料を探して火にくべている状態になります。

 まさに、不毛の争いです。

 ここで大事なのは、「自分で燃料を投入している状態」になっていることに気がつくことです。

 気がついたらまず、その場から一度離れましょう。

「逃げるの?」などと言われても無視をして、なにか言い返したくなる気持ちもグッとこらえて、一目散に退避してください。