ローソンストア100の「だけ弁当」は
コンセプトがブレブレに……

「ごはんとウィンナーだけの弁当があったら絶対に売れる」

 そう考えたローソンストア100の社員の方が、10年間、商品部にかけあって実現させたヒット商品です。評論家の世界でも、新商品の成功例として取り上げることが多いケースです。

 そうなのですが、実は私はこのウィンナーの「だけ弁当」を発売直後に買って、がっかりしてすぐに離脱しました。理由は「だけ」じゃなかったからです。ウィンナーに不必要なケチャップがのっていたのです。

 この「だけ弁当」の開発秘話の話を伺うと、提案者の熱意が通って商品化が決まった際に、提案した社員は「ごはんに炒めたウィンナーを添えるだけ」と主張したそうです。それに対して、商品開発の側で「見映えを考えてケチャップの色を加えるべき」と主張し、その意見が通ったといいます。

 その後、「だけ弁当」は「ミートボールだけ」とか「ちくわの磯部揚げだけ」とか11弾ぐらい続くのですが、肉好きからみればコンセプトがどんどんブレてしまいながら現在に至るというのが率直な感想です。

 まあ私の場合は出張でホテルに宿泊するたびに、ごはんとウィンナーだけの朝食を楽しんでいますので、別に困りはしないのですが。