国が各自治体に分配している地方交付税にしても元々は地方のお金です。地方自治体の財源を国が巻き上げて、それを地方に戻しているにすぎません。

 市長だった私から見れば「子どもが貯金箱に貯めたお金を、親が勝手に持ち出して使っている」状況です。そして、親である国は「お金を戻してほしかったら言うことを聞きなさい」「宿題をしたらお小遣いを戻します」というスタンスです。まったくとんでもない話です。こんな理不尽極まりないことがまかり通っているのが、今の日本の財政の実情なのです。

国民の収入の半分弱を奪い
ムダ遣いをしている政府

 2023年2月、財務省は2022年度の国民負担率が47.5%になる見込みだと発表しました。国民負担率とは、所得に占める税金や社会保険料の割合を表したものです。統計開始当初の1970年度には25%未満でしたが、2013年に40%を超え、今や5割に迫る勢いです。

 なぜ、これほど高い負担率になったかというと、一重に財務省と厚生労働省のせいだと私は思います。財務省はともかく税金を上げて税収を増やしたい。だから消費税率もどんどん上げていきたい。税収が増えて、財源が膨らめば、彼らの権益は一層強化されるからです。