「これってドーナツと言うより……」
ミスドと比べられる宿命のセブン

 セブンの新ドーナツはミスドとほぼ同じ価格帯に設定されているので、比較の対象になるのは主に「味」である。また、生活圏内にミスドがあるらしき人は「あえてセブンの新ドーナツを買うのか」を一旦自問自答するようだし、反対に生活圏内にミスドがないため「セブンで買える。ありがたい」と喜んでいる人も見られた。

 SNSで多数の感想を抽出してみたところ、「ドーナツというより揚げパンっぽい」という証言が目立った。

 筆者も食べてみて、世に言われているところが何なのかをよく理解した。実に揚げパンっぽく、これはこれでおいしい。しかしミスドとは全く違う路線のさっぱりした食べ応えのドーナツであり、おそらくミスドを期待してセブンを食べると、高確率で「セブンはダメ」となるであろうことが予想された。

 そして、このことから伝わってくるのは、国内のドーナツ市場におけるミスドの存在感の大きさである。ミスドのあの甘い、ガツンとした満足感ある食べ応えこそが「ザ・ドーナツ」として広く認識されている感がある。コンビニドーナツも、袋入りの菓子パン扱いで売られている分にはまだ見逃されているのだが、ホットスナックとして売り出されるや否やミスドと同じ土俵に上がることになり、「ミスドと比してどうか」という観点から講評を加えられる。

 セブンもそこは踏まえて挑んだ勝負であろうから、ミスドファンからの反発は織り込み済みだったかもしれないが、筆者が個人的に想像していたよりはその反発が大きかったことに驚かされた。なお、筆者はミスドが大好きだが、セブンのドーナツはそれはそれとして楽しむことができ、特に気に入ったチョコは何度か購入に至っている。