データ分析からはじきだした
イチロー攻略法は効果てきめん

 野村監督は「すべての球を、目的意識を持って投げる。すべてを勝負球だと思うこと。ボール球にも手を出してくるので、ストライクゾーンをやや広めに考えて投球する」という基本方針を出し、イチローの攻略ゾーンを割り出し、捕手の古田敦也に指示した。

 正確な情報、的確な分析力、単純化したプレゼンテーションでイチロー攻略法を確立させた野村ヤクルトは、このシリーズでイチローを5試合19打数5安打1本塁打2打点0盗塁、打率.263と封じ込め、4勝1敗で快勝した。

 この日本シリーズは雑誌『Number』379号で「丸裸にされていたイチロー。」というタイトルで、石田雄太によって詳報され、アソボウズも紹介された。

 この記事で片山は「野球のスコアラーの仕事は、パソコンを使った方がはるかに合理的だと思ったことがきっかけだった。野球のスコアをパソコンに入力して、希望の条件を入力すれば、様々なデータが集積、解析されて表示される。実戦で活用できるまでに、2年はかかったかな」と語っている。