記事の最後では「卑怯だと言う人もいるかもしれないが、勝つためには、データは大切な道具となる。道具は、使う人間がいて初めて役に立つ。データがあってもそれを分析できて、選手に伝えられて、それをグラウンドで生かせるだけのレベルのチームは少ない。それがヤクルト、いや、野村監督だったのかな」と語った。
今に至るもアナリスト、それを活かす球団が肝に銘ずべき言葉だろう。
プロの12球団中10球団が
アソボウズのシステムを導入
この1995年の日本シリーズを契機として、アソボウズの名前は、プロ野球界に知れ渡った。オフにはヤクルト、巨人、阪神、中日、オリックス、ロッテ、西武、近鉄の先乗りスコアラーやデータスタッフがアソボウズを訪れ、「スコアメーカー」などアソボウズのシステムの導入を決めた。
このとき、片山は1つの問題に直面した。
これまでアソボウズは自分たちが開発したシステムを自分で動かして選手や試合のデータを得ていた。分析結果の著作権は当然アソボウズが保有している。しかし、各球団がアソボウズのシステムを導入すると、球団のスタッフがシステム上で入力をしてデータを得るようになる。