順当にいけば、このサルのしっぽの長さはニホンザルより長く、アカゲザルより短いとなりそうなものだが、タイワンザルのしっぽはアカゲザルより長い。生息している台湾の緯度から考えれば、もう少し短くてもよさそうなものなのだが、長い。そしてその理由は解明されていない。

 このように、しっぽの長さも大枠はアレンの法則に沿っているように見えるのだが、例外も存在しており、一筋縄ではいかないのである。

似て非なるサルたちの特徴
サルを知るにはまずしっぽを見よ

 自分の国にサルがいる我々は、どうもこの手の顔を見ると「ニホンザルだ」と思ってしまう傾向があるようだ。実際私は、動物園でこれらサルの見間違え事件に何度も遭遇したことがある。

 私がまだ院生だった頃、海外からお越しになった研究者を連れて京都市動物園に行ったことがある。その日は日曜日で多くの子ども連れが園内にあふれていた。お連れした研究者の方が色々な動物を見てとても興奮していらしたので、私も一緒になって楽しんでいた。