だが、その長さは様々だ。
哺乳類では、しっぽの長さと生息地の気候(生息地の緯度)にある程度の関係があることが知られている。この傾向は、発見した研究者の名前から、アレンの法則と呼ばれている。
皆さんはスキー場や冬の山など非常に寒い場所に行ったことがあるだろうか。もし行ったことがある方は、そのときのことを思い出してほしい。きっと指先や鼻、耳たぶなどが真っ先に、しかもキンキンに冷えてくるだろう。
これは、そういった体の突出部から熱が逃げていっていることの証である。寒冷な気候で生活する動物では、こうした熱の放散をできるだけ抑えるべく、体の体積に対して表面積が小さくなるように進化したのだろうと、アレン氏は考えたわけである。
たとえば、キツネの仲間を例にとってみると、北アフリカの砂漠地帯に棲むフェネックは耳が大きいのに対し、北極地域に棲むホッキョクギツネの耳は丸く小さい。
そして、体の外に出っ張っているという点で、しっぽもこの法則に従っていると言われており、我々に馴染み深いニホンザルがその好例だとされている。