8月、中国軍の情報収集機が
日本の領海上空を侵犯した

 前回に引き続き、防衛省 航空自衛隊 南西航空方面隊副司令官の中島隆幸氏と、第9航空団司令 兼 那覇基地司令である鈴木繁直氏のインタビューをお送りする。

 那覇基地を拠点とする航空自衛隊 南西航空方面隊は、日本の空の防衛最前線である。8月、この取材が実現すると決まった翌日に、中国軍のY-9情報収集機が長崎県男女群島沖の領海上空を侵犯するというできごとが起きた。これに対し航空自衛隊は西部航空方面隊から戦闘機を緊急発進(スクランブル)させ、通告及び警告を実施した。

日本のF-2戦闘機日本のF-2戦闘機 写真提供:航空自衛隊
南西航空方面隊副司令官 中島隆幸氏南西航空方面隊副司令官 中島隆幸氏 Photo:Diamond

 その直後、海上自衛隊の護衛艦が台湾海峡を通過。これに対し中国政府は「中国の主権と安全を損なう挑発行為」だと強く反発している。これについて「領空侵犯に対する一種の意趣返しなのですか?」と問うたところ、二人とも「自衛官にそういった発想はない」と断言した。ここまでが前回のダイジェストである。