被験者の学生たちをランダムにふたつのグループに分け、3日間の日ごとに観たい映画を全部で3作品選んでもらった。その際、どちらのグループにもある重要な条件を付した。
第1のグループには、その日ごとに観る作品をひとつ選んでもらった。つまり、このグループは、仕事から帰宅した人がその場ですぐに観る映画を選ぶのと同じ状況にしたのだ。
これに対し、第2のグループには、1日目に3日分の映画を選んでもらった。
どちらのグループも1日目については、その日に観る分をその日に決めたため、結果はほぼ同じであったが、2日目、3日目については異なる結果が得られた。第2のグループは、未来に観たいものをいま選択していたのに対し、第1のグループは常にいま観たいものをいま選択していた。
つまりこの実験は、学生たちに未来の選択をコミットさせることによって、彼らが、その場の衝動で選びがちなもの(『バットマンvsスーパーマン』)ではなく、本来意図していたもの(『シンドラーのリスト』)を実際に選択するかを問うものだったのだ。