ステーションルネッサンスに先行してサンフラワープラン(編集部注/1997年に策定。乗降人員3万人以上の駅を対象に、業務施設の移設や再編で価値の高いスペースを生み出し、エキナカ店舗やショッピングセンター、ホテルなどの新規開発を推進する計画)があったように、ステーションルネッサンスから「NEXT10」へのシフトも、Tokyo Station Cityなどの取り組みとともに水面下で着実に進んでいたというわけだ。
Suicaで駅空間と駅商圏をつなぎ
顧客との接点を増やして商機を創出
JR東日本は2021年に「Beyond Station構想」を策定し、駅をヒトの生活における「豊かさ」の起点と位置付け、「交通の拠点」から「暮らしのプラットフォーム」に転換する「くらしづくり」の方針を決定。社外パートナーとの共創で駅を「新たなビジネスを創発する拠点」へと変え、新たな収益確保を図る方針を発表した。
複数のビジョンが登場してややこしいが、鉄道を含むグループ全体の経営ビジョンを示すのが「変革2027」で、そのうち生活サービス事業の成長ビジョンが「NEXT10」、不動産事業のくらしづくりについて定めたのが「Beyond Station構想」という階層だ。