それゆえ、地方の田舎では、トゥレット当事者の方が「狐憑き」「異常者」「何か悪いものがついているに違いない」などと陰口を叩かれることもあるとの話も聞いたことがあります。

 僕自身は幸いなことにそうした扱いは受けたことはありませんが、実際に地方に行ってみると、チックの症状に対して、物珍しそうな視線を送られることが多いように感じます。

 また、別のトゥレット当事者が、地方に住む友人の家に遊びに行った際は、その友人宅のご家族の方がその当事者の出す声や近隣に与える印象が気になったようで、後日、近隣の家に菓子折を持って、「すみませんね。子どもの友人が遊びに来たんですが、こういう病気を持っているそうで……」と挨拶周りに行っていたそうです。

 もちろんフォローをしてもらえるのはありがたいことではありますが、トゥレット症という病気がそこまで大ごとになってしまうのであれば、地方の田舎に住んでいる当事者の人はさぞ生きづらいだろうなとも感じます。