バブル崩壊から30年以上、衰退の一途をたどる日本経済。その最大の要因は、どこにあるのか?45年間にわたりウォルト・ディズニー・ジャパン、日本マクドナルドなどトップ外資系企業を渡り歩いた著者が解説する。※本稿は、中澤一雄『ディズニーとマクドナルドに学んだ最強のマネジメント』(宝島社)の一部を抜粋・編集したものです。
日本経済を衰退させた原因は
企業の生産性の低さにある
日本経済をこれほど衰退させた最大の要因は何なのでしょうか。
日本のビジネスパーソン各自の能力が、外国のビジネスパーソンに比べて劣っているとは私は思いません。
ここに日本企業の生産性が、アメリカ企業の生産性と比べてどれだけ低いかを示す図があります。
日本生産性本部の資料をもとに作成したグラフなのですが、アメリカ企業の各分野の生産性を100とした場合の日本企業の各分野の生産性を表しています。
ご覧いただければわかるように、日本企業がアメリカ企業よりも高い生産性を誇っているのは「化学」の分野のみです。それ以外の分野は、軒並みアメリカ企業よりも生産性が低くなっており、ほとんどの分野で約半分しかありません。
生産性が低いということは、より多くの人員と時間を使わなければ利益を上げることができないということです。生産性が上がらなければ、経済が衰退していくのは当然でしょう。
この恐るべきデータを見たことがない日本人のほうが多いと思います。確かに、日本人は他の国に比べて「勤勉」で「実直」ではあるかもしれません。しかし、だからといって、このグローバル化・デジタル化した時代に適応できるかどうかとなると、話は別です。
勤勉であろうが、実直であろうが、人々の生産性が低ければ、国際競争力など上がるはずがありません。