「やる気」がある社員はわずか5%?
「ぶら下がり社員」が7割という現実
また、日本のビジネスパーソンは、生産性が低いだけでなく、エンゲージメントも低いという現実があります。むしろ、エンゲージメントが低いから、生産性も低くなるのです。エンゲージメントとは、従業員の会社や仕事への「愛着」や「思い入れ」、あるいは「やる気」を表す言葉です。
人材コンサルティング会社であるリンクアンドモチベーションの研究機関・モチベーションエンジニアリングと慶応義塾大学が2018年9月に発表した共同研究によれば、従業員に対する調査から算出された「エンゲージメントスコア(ES)」が1ポイント上昇すると、当期の営業利益率は0.35%上昇するというのです。また、同社の別の調査では、ESが高いほど、ROE(自己資本利益率)やPBR(株価総資産倍率)が高くなる傾向があったとのことです。
日本の従業員のエンゲージメントは、世界125カ国で最低です。エンゲージしている社員はわずか5%に過ぎず、72%がいわゆる「ぶら下がり社員」なのです。ぶら下がり社員とは、仕事に意欲的に取り組まず、かといって離職する意思もない社員のことです。低いモチベーションのまま、ただ給料をもらうためだけにそこにいるわけです。そんなぶら下がり社員が72%もいるというのです。