「103万円の壁」問題は
ふるさと納税にも影響あり
冒頭で、今年はふるさと納税激震の年だと書いたが、それはポイント付与問題だけではない。今話題の「103万円の壁」だ。これを超えると所得税がかかってくる年収103万円ラインを178万円に上げ、手取りを増やそうという国民民主党の主張だが、これが実現すればふるさと納税にも影響が出てくる。
税金は、年収から基礎控除などいろいろな控除を引いた残りの金額=所得にかかる。今、議論の遡上に上がっているのが48万円の基礎控除の引き上げで、これを75万円に上げれば、税金の元となる所得が減るので減税になるわけだ。
ちなみに、寄付金額が控除の対象となるふるさと納税の額は、総所得金額等の40%(所得税の場合。住民税は別計算)までとなっている。つまり所得が減れば、寄付できる上限金額も減ってしまう。
むろん税金が減るのはありがたい。しかし、もし来年から税制が変われば、これまで通りの金額を寄付できるのは今年限りになる。減税によって住民税が減り、かつふるさと納税の寄付額も減ってしまうとなれば、地方自治体にとって計り知れないダメージだろう。さまざまな意味で、24年は最後の年になるかもしれない。