>>前編『「オワコン集まれ!」VAIO買収に動いたノジマの異次元すぎる事情』を読む
家電量販店のノジマがパソコンメーカーのVAIOを買収すると発表したことが話題です。実は、ノジマの買収歴を整理すると「オワコンビジネスばかり買収している」という特徴が見えてきます。ここに、ノジマの風変わりだけど合理的な戦略があるのです。(百年コンサルティング代表 鈴木貴博)
ノジマの「オワコン集まれ」戦略は
正しいのか?
家電量販店のノジマがパソコンメーカーのVAIOを買収すると発表したことが話題です。VAIOは時代の流れで、残念ながらオワコンになってしまったビジネスです。なぜ今、買収するのでしょうか?
実は、ノジマのポートフォリオを確認すると「オワコンばかり買収している」という特徴も見えてきました。
ノジマの戦略を一言で言えば、「オワコン集まれ!」という陣容です。
詳細は前編『「オワコン集まれ!」VAIO買収に動いたノジマの異次元すぎる事情』に譲りますが、斜陽の家電販売店事業に加えて、携帯各社が販売インセンティブを減らそうと動いている携帯ショップ大手のコネクシオを買収しています。
さらに、業界全体での加入増は見込めない光インターネットのニフティ、視聴者が動画配信へと移行中の衛星アニメチャンネル、そして今回のノートパソコンのVAIOといった形で世の中のオワコンとされるビジネスを中心にノジマの買収ポートフォリオが成長しているのです。
しかし、経営戦略という視点でみると、このノジマのオワコン買収戦略は実は合理的なのかもしれません。
実は今年、斜陽とされる携帯ショップ業界で、業界最大手のティーガイアがアメリカの有力ファンドのベインからTOBをかけられています。有力ファンドが買収する理由は、これから買収しても儲かるからです。
携帯ショップ業界が縮小するのに利益が上がると見込める理由は3つあります。