また、社内での関係性が開いていれば、従業員から「反動蹴速迅砲」(編集部注/『キャプテン翼』の必殺シュート「反動蹴速迅砲」に、中村憲剛と大久保嘉人が挑戦。Jリーグ職員がその動画をアップしたところ、1週間で400万再生を達成した。ここから筆者は、映像著作権を放送局に渡さず自前で持つことの重要性を知った)のような改革のヒントが湧き上がってくる。
経営者が大きな声で「改革」と叫んでも簡単にアイデアが出るわけではない。「新事業をやろう。この指とまれ!」と叫んでも誰も動き出そうとしないことも多い。ありたい姿を語り、現状の課題をオープンにして、ミッシングリンク(連続性・継続性が欠けている部分)は何かを伝えること、そして心理的安全性が保障されてはじめて組織は動くものだ。
また閉じた小部屋に閉じこもっていては、世間の環境変化にさえ気がつかない。リクルートでの議論ではないが、組織間で人が流動してはじめて情報は流れてくる。
組織の浸透圧や社会との垣根の高さも見直す必要がある。企業が「社外取締役」を積極的に登用し始めたのも経営の最高機関を社会にさらすことで環境適応力を高めようとする知恵だろう。