ですから、正しい考え方を持ち続けることは難しく、特に私たち凡人の考え方は簡単にプラスからマイナスに変わってしまいます。そして「考え方」が少しでもマイナスに振れると、いくら「能力」が高く、「熱意」を持っていても、人生は悪い方向へ一気に進んでしまい、それまでの努力さえ無駄になってしまいます。それほど人生は厳しいものだということも、この方程式は教えているのです。
このように、「考え方」とは極めて大事なので、稲盛さんは、繰り返し、どんな環境に置かれようと、揺らぐことのない哲学にまで自分の「考え方」を高めなければならないと教えているのです。
それが、稲盛さんがよく話をする「心を高め続けなければならない」ということなのですが、現実の社会では、心を高めようと必死になって努力をしている人間は少ないのではないでしょうか。知識としては正しい考え方を知っていても、それを哲学にまで高め、ブレることのない判断基準にしている人はあまりいないように思います。
「年上だから正しい、年下だから未熟」は誤り
常に心をアップデートしないと老害になる
特に組織の中では、とにかく上司が正しいと思っている人、前例さえ踏襲すればいいと思っている人、利益さえ上げれば何をしてもいいと思っている人も少なくないように思います。それが企業不祥事がなくならない原因でもあると思うのです。