対立候補は期間中に2度「凍結」、
刑事告訴に踏み切る事態へ

 中には稲村氏に有利なデマや根拠不明な情報もあったかもしれないが、直前に県職員のアンケートでパワハラを目撃した職員が140人いたという調査結果があったにもかかわらず、特に根拠のない「パワハラはなかった」説があっという間に支持を得る様子には恐ろしいものがあった。

 再選した斎藤知事に対する百条委員会は続いているし、公益通報者である県民局長に対する兵庫県の対応には違反疑いの指摘もある。

【参考】
公益通報、兵庫県対応に違反疑いの指摘も 国は刑事罰導入に向け調整 (2024年11月19日・朝日新聞)
https://digital.asahi.com/articles/ASSCM2R4WSCMUTFL00PM.html

 さらに、立候補者の一人である立花孝志氏が明確に斎藤氏の応援に回ったことについての疑問が取り沙汰され、選挙中に2回、稲村氏のXアカウントが凍結したことについては「不当な選挙妨害」として刑事告訴する方針と報道されている。

【参考】
立花氏と斎藤氏、「実質2馬力」の兵庫県知事選 専門家は疑問も(2024年11月20日・朝日新聞)https://digital.asahi.com/articles/ASSCM3FGGSCMPTIL003M.html

【独自】稲村和美さんのSNSが選挙中「2回凍結」“うそ”の通報で「不当な選挙妨害」として刑事告訴へ(2024年11月21日・カンテレニュース)
https://www.ktv.jp/news/articles/?id=16168

 選挙後も不穏な気配が漂っており、今後どうなるのか予測できない状況だ。

「オールドメディアを
信用できない」理由は?

 マスコミの中からも「オールドメディアが負けた」「マスコミは市民の不信を買ったことを反省すべきだ」といった論調がある。選挙前報道では「中立公正」の視点から突っ込んだ報道をしづらく、ネット上で流れる情報のスピードに遅れを取った点など、確かにマスコミが批判されるべき点は多々ある。