日本航空(JAL)グループの格安航空(LCC)が、成田~ヒューストン線を来春に開設する。片道14時間の長距離運航は、航空業界の常識からは外れるものだ。そこで今回は、LCCの長距離路線ランキングを作成してみた。驚くことなかれ。世界には、超ロングフライトを提供する格安航空が意外と多いことが分かった。(ライター 前林広樹)
LCCで往復28時間!?
ZIPAIRヒューストン便が爆誕のワケ
日本航空(JAL)傘下で格安航空(LCC)を運航するZIPAIR(ジップエア)が、2025年3月4日から成田~ヒューストン線を週4便で開設する。片道14時間の長距離運航で、機材整備なども含めると往復28時間以上もかかる路線であり、航空業界関係者も驚く路線が誕生する。
業界の定説、「1路線当たり1機で運航できる往復24時間以内」の限界を超えると、相当なコストがかかる。そのリスクを承知の上で開設したのは、両都市間の需要の大きさが要因の一つだろう。
ヒューストンは米国中南部にあるテキサス州最大の都市で、全米5位の人口を誇る。NASAのジョンソン宇宙センターをはじめとする航空宇宙産業やエネルギー産業などで経済をリードする同都市には、日本企業も多く進出している。
ZIPAIRはロサンゼルス線やバンクーバー線が好調で、北米からアジアへ移動する需要をキャッチしている。このほか、日本人の一時帰国などの需要も狙っているようだ。
成田~ヒューストンの距離は1万0690kmもある。これは、JALグループ全体を見渡しても、羽田~ニューヨーク線、成田~ボストン線に次ぐ長距離である。
そこで今回は、「LCCの長距離路線ランキング」を作成した。ZIPAIRで驚くことなかれ。世界には、超ロングフライトを提供する格安航空が意外と多いのだ。
それでは早速、LCCの長距離路線ランキングを見てみよう。なお、2024年に運航されているものに限定した。