「中学受験、もうやめる!」子どもが入試直前に突然宣言→親のベストな対応は?写真はイメージです Photo:PIXTA 

受験直前のスランプは、学力面・精神面・体力面のサポート次第で、大きな飛躍につなげることができる。連載第10回では「子どもがメンタルを強く持てない」「朝学習が続かない」「第一志望に合格するイメージが湧かない」など、読者から寄せられた不安やお悩みについて、具体的なスランプ脱出法を紹介しながらQ&A形式でお答えする。(国語専門塾の中学受験PREX代表、教育コンサルタント・学習アドバイザー 渋田隆之)

>>中学受験直前期のQ&A(勉強編)Q1〜4を読む

メンタルが弱い子に
何と声を掛ける?

 今回も読者の皆様から実際にいただいた質問にお答えします。中学入試の本番までのカウントダウンが始まったものの、「本当にこのままで合格するのだろうか?」「果たして、勉強の進め方は合っているのだろうか?」という不安や心配は尽きないものです。この時期に、スランプから脱出するヒントをQ&A方式でまとめました。

 後半は、精神面と体力面を切り口にお答えします。

Q5
うちの子はメンタル面が強くないようで、励まし方に苦戦しています。

A5
 親御さんが「厳しい受験」に備えるための心構えは必要だと思いますが、心配し過ぎない、不安を感じ過ぎないように心掛けることをお勧めします。マイナスの感情が子どもに過度に伝わってしまうことで、子どもが「メンタルを強く持てない」ということはありませんか?

 特に、模試や過去問の結果が思わしくなくて落ち込んでいる子どもに「受験生なんだから、しっかりしなさい」などと言っても逆効果。そう言われて奮起できるほど、子どもたちは強くありません。むしろ、やる気を失う可能性の方が大きいのではないでしょうか。

 そして、中学受験はいくつかの学校が日程別、時間帯別(午前や午後入試)で受験ができるという特徴があり、そしてそれがメリットでもあります。現在の持ち偏差値(お子さんが持っている偏差値)を超えた受験も可能なために、むしろ「自信満々」でいられるケースの方が少ないと考えられます。

「自信がない状態」というのは、合格したい気持ちの裏返しであり、自分なりに課題がまだ残っていることが理解できているという、学習が進んだ故の成長の証とも考えられると思います。