ビーフ100%ハンバーグは
品質が大幅改善されたもの
さて、ビジネスの観点から秀逸だと感じられたのがメインの肉料理です。ベースになるのはガストのスペシャリテであるビーフ100%のハンバーグです。
実はファミレスの一番人気の食材であるハンバーグには、ファミレスの興亡の歴史そのものといえる変遷の過去があります。80年代にファミレスがブームになった当時は、安価に家族で食べられる人気メニューとしてハンバーグがファミレス人気をけん引します。
ところがデフレ時代が到来してファミレスのハンバーグはコスパ重視に内容が変わります。安さを追求するのは仕方なかったのでしょうが品質に不満を感じた顧客がファミレス離れを引き起こす業績不振の時代が存在しています。
その負の流れを断ち切るために、ガストではここ数年、ハンバーグの品質を大幅に見直しました。現時点でガストのハンバーグは、ガスト全体のグランドメニューの中でまぎれもなく美味しい看板メニューの座に返り咲いています。
ですから開発チームがフレンチコースのメインに、ガストのスペシャリテであるビーフハンバーグを据えたのは、ビジネスの観点で非常に正しい判断だったと言えるのです。
その上で、ハンバーグをフレンチのメイン料理に変身させる二段構えの工夫が、今回の『至福のフレンチコース』の価値を際立たせています。
ひとつはガストの通常のハンバーグのデミグラスソースの代わりに、フランスの肉料理に使われるペリグーソースを採用したことです。ペリグーソースはフォアグラのソテーなどに用いられる濃厚なソースで、マデイラワインを煮詰めてフランスのペリゴール地方の名産の黒トリュフをたっぷりと使って完成させます。