細かい話ですが、ハンバーグの上にオニオンチップの代わりにごぼうのチップをのせているのが食感的には楽しめます。これはガストのグループに新しく加わった「資さんうどん」へのリスペクトなのかなと考えたりもしました。
さて、このペリグーソースだけでも美味しいのですが、今回の至福のフレンチコースのハンバーグには味変というべきもうひとつ別のサイドメニューが載っています。それが卵の赤ワインマリネです。
外見は紫色をした不思議な半熟卵の塊ですが、これを崩して下に敷いてあるマッシュポテトと和えることで、また絶妙な別の味わいのソースへと変化するのです。半熟卵はおそらく店舗で加熱しやすい業務用の卵黄を用いていると思われます。
ファミレスのビジネスモデルの前提である調理の観点で確認すると、このメインの肉料理は、従業員にとっては調理しなれたハンバーグがベースになっています。その上でそれ以外の食材はすべてセントラルキッチンで調理したものをバイト従業員が温めて皿に載せれば成立する構成になっています。
デザートのブランマンジェを加えて全部で4皿。ファミレスで提供するという制約を前提条件にしたうえでのほぼほぼベストといえる解が今回の『至福のフレンチコース』と言えそうです。
その味について冒頭で申し上げたように私は75点と評価しました。シェフ不在の厨房で、温かい料理も加えたコースメニューを提供するという前提で考えたら、これ以上の得点をたたき出すのはファミレスではほぼ無理ではないでしょうか。それほどの満足度でした。
さて今回の『至福のフレンチコース』ですが、顧客の視点で見ると大満足である一方で、実は従業員の本音をSNSを通じてみる限り、課題もあるようです。