年の瀬が迫り、そろそろ話題になってくるのが正月の福袋である。正月の風物詩としてお馴染みの光景ではあるが、昨今の福袋は昔と事情が違うところもある。そんな中で人気が高いのは?知られざる「令和の福袋」事情をお伝えする。(フリーライター 武藤弘樹)
従来型福袋からどう変化?
「令和福袋」の実態とは
日本人が親しんできた“福袋”の起源は、なんでも江戸時代の越後屋(現・三越)が生地の余りを入れた「えびす袋」と呼ばれるものにまで遡るそうである(※諸説あり)。その後評判を読んで、世の中に根付き、全国各地にそのやり方が伝わった。
現在の福袋商戦はバブル期あたりから例年の風物詩として定着したようで、今日に至る。その“福袋”が、令和に入ってかなり形を変えつつある。
一昔前の福袋、1980年生まれの筆者が親しんできた福袋には、以下のような特徴がある。
・年始にデパートで売られるものが代表的。それに追随して、各ショップなど独自の福袋も出てきた。
・中身はわからないが、総額ではだいたいお得。
・あたりかハズレかワクワク感がある。
一方、近年の福袋(本稿では便宜的に“令和福袋”と呼ぶことにする)の特徴は以下である。
・全国チェーンの小売業や飲食店が結構な割合で販売している。
・多くは年末から予約・販売が開始される。企業によっては季節ごとなど、年に複数回福袋を販売することもある。
・中身はほぼわかっている。金額的にはお得な仕様。
・ギャンブル要素は薄い(くじ要素が持たされたものもある)。
これらの変化も、ひとつひとつ紐解いてみると、しかと理由があるようで面白い。そして令和の福袋事情を見ることで、世相も解析できるのであった。