体がなんとなくだるくて重い、やる気が出ない……そんな時は、疲労回復効果のある野菜を料理に積極的に取り入れよう。農園を営む野菜のプロが管理栄養士監修のもと、野菜の選び方から処理法や保存法、おいしくて栄養抜群なレシピまで徹底解説する。※本稿は、しん|野菜を育むプロ(著)、濱 裕宣(監修)『農家が教えたい 世界一使える野菜の教科書 おいしくて体にいい選び方&食べ方』(KADOKAWA)の一部を抜粋・編集したものです。
スタミナアップ野菜の代表格「にんにく」
硫化アリルがビタミンB1の吸収を促進
疲労とは、体を動かすのに十分なエネルギーや栄養、酸素が足りない、あるいは行き届いていないために、体がだるい、重い、動きたくない、気持ちが沈みがち……などの症状が現れている状態。元気が出る野菜を意識的に食べて、スタミナアップを図りましょう。
三大栄養素の1つである糖質を代謝し、体内でエネルギーとして活用できるようにするには、ビタミンB1が欠かせません。そのビタミンB1の吸収を促進してくれるのが、にんにくに豊富に含まれる硫化アリルという成分。
単にビタミンB1(豚肉など)をとるだけでなく、硫化アリルと一緒にとることで、糖質(ごはんやパンといった炭水化物)をより効率的にエネルギー利用できるようになり、スタミナアップにつながるのです。硫化アリルは玉ねぎや長ねぎ、にらなどにも豊富に含まれているので、にんにくたっぷりの肉野菜炒めやレバにら炒めがおすすめ。
にんにく〈ヒガンバナ科ネギ属〉
にんにくの旬:夏(5~7月)
にんにくの栄養:(水に溶けやすい水溶性栄養素)カリウム、ビタミンB6、ビタミンC、硫化アリル、(油に溶けやすい脂溶性栄養素)スコルジニン、(どちらでもない無機質栄養素)リン など
にんにくの選び方:薬味や香り付けに欠かせないにんにく。どれを選んでも同じと思われがちですが、もちろん「旬」も「選び方」もあります。まず、芽が出ていないか、手に持った感じがスカスカでないかをチェック。皮の表面は乾燥していますが、ハリ・ツヤがあってツルリとしているのがおいしい証。また、一片一片が離れているのは乾燥して鮮度が落ちているサインなので避けましょう。