パスタ画像は、同書より転載。

「料理で幸せの分母を増やす」をモットーに生きる鳥羽周作シェフが教える、手軽に作れて、なおかつ激しくウマいパスタレシピとは。※本稿は、鳥羽周作『帰ってきたらすぐに作れる、食べられる おかえり!パスタ』(CCCメディアハウス)の一部を抜粋・編集したものです。

アサリのうまみが押し寄せる!
ふつうのボンゴレビアンコ

 パスタを作る上で、パスタそのものの次に大事と言ってもいいのがオリーブオイル。レシピの中には、「ピュアオリーブオイル」と「エクストラバージン(E.V.)オリーブオイル」の2種類が出てきます。

 最初にニンニクや具材を炒める時に使うのがピュアオリーブオイル、仕上げにかけるのがE.V.オリーブオイル、という使い分けをしています。

 エクストラバージンと名のつくものは、オリーブの実を搾っただけのオイル。それだけに、オリーブの香りがダイレクトに伝わります。これに対し、ピュアオリーブオイルは搾ったオイルをさらに精製したもので、香りや味わいの特徴が強くないものが多いのです。

 仕上げに香りや濃度を足したい時はE.V.オリーブオイルを、それ以外はピュアオリーブオイルを、と使い分けができるのが理想的ですが、買い揃えるのが億劫であれば、まずはピュアオリーブオイルを使いこなすところからはじめましょう。

材料(1人前)
パスタ(スパゲッティーニ1.7mm) 100g
アサリ 350g
ピュアオリーブオイル 20g
ニンニク 2片
イタリアンパセリ 適量
塩 適量
E.V.オリーブオイル 20g
作り方
1 アサリをしっかり洗い、1つずつにおいを嗅いで、状態の悪いものがなさそうか確認する。塩分濃度3%の塩水(材料外)で2時間砂抜きする。
2 鍋にたっぷりのお湯と1%量の塩(ともに材料外)を入れて火にかけ、沸いたらパスタを入れて7分間ゆでる。
3 フライパンにピュアオリーブオイル、みじん切りにしたニンニクを入れて強火にかけ、ぱちぱちと音がしてきたら弱火に落としてオイルにニンニクの香りを移していく。ニンニクが色づいてきたらアサリを入れて強火にし、80g程度の水(材料外)を加えて蓋をする。
4 シャーシャーと殻が開く音がしてきたら蓋を開け、弱火に落として汁を煮詰めていく。この間にイタリアンパセリを軸ごと細かくきざむ。
5 パスタがゆで上がったら(この時点では少し硬めがよい)、ザルなどに上げてから4のフライパンに入れる。菜箸などで全体を混ぜ、パスタに煮汁を吸わせる。味を見て、足りなければ塩をふる。
6 全体がよく合わさったらイタリアンパセリを加えて混ぜ、E.V.オリーブオイルをまわしかけ、さらに混ぜて乳化させて火を止める。器に盛りつけて完成!
ふつうのボンゴレビアンコオイル系パスタの花形、ボンゴレビアンコも、作り方さえ覚えれば日常メニューに仲間入り。調味料は塩のみですが、この工程通りに作り、高品質のE.V.オリーブオイルとフレッシュのイタリアンパセリさえ揃えれば、レストランクオリティの味に仕上がります。