次に彼は、「覚えのない傷やあざ」についても注目しました。エイリアンは、医学的な検査を行うことが多いので、結果的に体に傷ができる場合があります。

 しかし、このときの記憶は消去されるため、アブダクティーはその傷に心当たりがありません。

 ふと気づくと、体に覚えのない傷や、あざがあるということになるわけです。

 また、単なる傷ではなく、アブダクティーは、なにかの装置を体の中に埋め込まれることがある(インプラント)と彼は述べています。いつの間にか体の中に異物が埋め込まれているのです。

 これは一種の通信機として働き、エイリアンがふたたびその人物に接触するときに使用します。実際、アブダクティーは、一度だけでなく生涯にわたって何度も誘拐されていると主張することが多いのです。

 彼はさらに、エイリアンがアブダクションを行う動機についても考察しました。ヒル夫妻の事件など多くのアブダクションでは、エイリアンはアブダクトした人々に医学検査を行っています。

 とくにエイリアンが興味関心をもっているのが生殖システムです。彼らはときにアブダクトした人々から精子や卵子を抜き取ります。

 彼らはそれを使用して、自分たち種族との間の混血児(ハイブリッドチルドレン)をつくろうとしていることさえあるようです。では、エイリアンはなぜこのようなことをしているのでしょうか。

 ホプキンスは、彼らの星が何らかの理由によって滅びかけており、彼らの種族が生き残るためには地球人の生殖細胞が必要なのではないかと考えました。

 この仮説はその後、エイリアン・アブダクションを現実のことだと信じる人々のスタンダード(標準的な仮説)となっていきます。