トレーニングの日々
全国から励ましのお便りも
コロナ禍で2020年の東京オリンピックは延期になってしまいましたけれど、2020年9月に記者発表があって、わたしは2021年の3月28日に、那須烏山市を走ることが確定しました。それを伝えに来てくださった福島町長さんに、「一生懸命がんばらせていただきます」と言いました。
じつは、聖火ランナーに決まってから、ひそかにトレーニングを始めていたんですよ。
それまでは、自己流の体操と1000歩の散歩が健康維持のための習慣でしたが、それに加えて、毎日足首に1.5キロの重りを付けてベッドに座ったり寝たりして、膝から下を上げ下げする運動を始めました。それから、晴れた日には息子に付き添ってもらって、道路を約2キロ、少し速足で歩く。ふくらはぎなど両足の筋肉作りに努めていました。
本番が近づくにつれ、「テレビや新聞で見た」と言って、「写真を撮らせてほしい」と申し出てくださる方がいたり、全国各地から励ましのお便りも届くようになりました。
こんなにもたくさんのみなさんに応援していただいているんですから、「その期待に応えないと」と、毎日、武者震いするような気持ちでいましたね。「つまずいたり、シューズの紐がほどけて転んだりしないだろうか」、そんな考えが頭に浮かぶと疲れている証拠。打ち消すように早めにベッドに入って眠るようにしました。
聖火ランナー当日は、雨が降っていました。わたしが走り始める時間は19時35分。もちろん緊張しました。昼間より雨風も強まっているように感じましたけれど、ここまで来たら、もうやりきるしかありませんからね。スタートしたら暗い中を慎重に進みました。あれこれ考えず、みなさんの邪魔にならないように、言われるがままに動いて。息子が付き添いとしてそばにいてくれたのが心強かったです。
身長の半分以上のトーチを
掲げて進むのは大変!?
ほんの200メートル、「走る」というより、どちらかというと「歩いた」と言ったほうが近いかもしれないですね(笑)。なかなか強い雨でね、頬やまぶたに当たって痛いくらいでした。進みながら、聖火が気がかりでした。雨がかかって消えてしまったらどうしようと思って心配でした。前もって「そうそう消えないようにできてますから安心してください」と言われていましたけれど、それでも、やっぱり心配でした。