ながら食べをしていると、口の中は、虫歯菌にずっと餌を与え続けているような状況になります。そうすると、口の中の状態(pH)が酸性に傾き続け、ずっと酸にさらされている状態になるため、虫歯になりやすいのです。虫歯を避けるには、間食の回数をできるだけ減らして、脱灰の時間を短くし、再石灰化の時間を長くする必要があります。

 ながら食べを最もしやすいのが中学生や高校生です。仕上げ磨きの期間が終わって親の手を離れているため、歯磨きも本人次第です。そのため、きちんと歯磨きをせず、口の中を酸性に傾いた状態のままにしておくと、たちまち虫歯になってしまいます。親としては、そのリスクをきちんと子どもに伝えておく必要があります。

 子どもが間食しやすい時期に虫歯を防ぐには、脱灰の原因となる食べ残しをしっかり除去し、歯磨き粉に含まれるフッ素の力で再石灰化を促すことです。そのためには、毎日最低2回、朝食後と夕食後にしっかりと歯を磨くことが大切です。そうすれば、昼食や間食を取って多少酸性が高まったとしても、夕食後の歯磨きでリセットされるため、虫歯になりにくいでしょう。