このような研究成果から、発達心理学では、身体的な管理、特に体罰を子育ての手段としては絶対にするべきではないという提案がなされています。
難しいのは、このような提案がなかなか社会に届かないことです。筆者は様々な機会に親や教育者の方に話していますが、特に男性からは、「そうはいっても、一発がつんとしないと言うこと聞かないから」などと言われることがあります。私の話を全く聞いていなかったのだなと愕然としてしまいます。
こういう方は、自分自身も父親に体罰を受けて育ったと語ることが多いような印象があります。自分も父親に叩かれて育って今の姿がある、だから自分も同じように育てるべきだという暴論です。
このような方々は他の様々な要因のおかげで成功されたのかもしれませんが、自分が攻撃性の高い人間になっていることに気づいてほしいですし、体罰を受けたことで将来の芽を摘まれた方がどれだけいるかを考えてほしいものです。科学的な証拠は、あらゆる意味において、体罰は全く肯定できないことを示しています。