結果、現在は弾劾賛成デモの参加者は減少し、芸能人のデモ支援も完全に中断されている。デモに参加した一般市民たちは、この事実を知るとSNSに掲載したデモ参加の投稿を一斉に削除し始めた。一方で、米国への入国禁止事例は日増しに増加している。

大統領弾劾賛成デモに便乗して民主主義を否定する始末

 民主党が主導した尹錫悦弾劾は、大統領の執務停止以上の意味を持ち、その背後には多くの目的が存在する。興味深い事実は、弾劾後に尹錫悦の支持率が30%を超えたという点だ。これもまた、民主党と全羅道カルテルが掌握しているマスコミではほとんど取り上げられない。

 反米反日主義者たちは、この尹大統領弾劾フェス(デモ)でも巧妙に自分たちの目的を追加している。先日行われたトラクターデモ(ここで使われたトラクターは文在寅政権時に購入されたものだ)には、「対北朝鮮制裁解除」の垂れ幕や反米デモ隊が登場し、国民の反感を買っている。

 韓国がこのように混乱した根本的な理由には、左翼反米主義者による公権力の支配がある。文在寅政権下で韓国の主要機関やマスメディア企業の要職が、共に民主党シンパを中心に入れ替わったのである。

 尹政権下で、民主党と反米反日勢力は、スパイ防止法の施行に非常に敏感な反応を示している。先日は民主労総の幹部が北朝鮮の指令を受けていたことが発覚し、処罰されたという事例もある。現在、韓国内の労働組合と農民団体、各種市民団体は、労働者や市民の利益を代弁するのではなく、従北左派(親北朝鮮で、韓国の民主主義・自由民主主義路線を否定する)政治勢力に掌握され、反国家的な性格を帯びているとさえいえる。

 こうした団体に扇動されている人々が望む「民主化」とは一体何なのか、問い返したい思いである。少なくとも2008年に起きた狂牛病デモ、そして朴槿恵弾劾のろうそく集会、反日不買デモを見ていれば、国を混乱させている元凶となる思想が何なのか見えてくるはずなのだが。