12月3日以降、汝矣島(ヨイド)の国会議事堂と光化門(クァンファムン)ではそれぞれ毎週土曜日に弾劾賛成、弾劾反対集会が開かれている。マスコミはいつも弾劾賛成集会が開かれる汝矣島の状況だけを報道している。

 当初、汝矣島での集会は、ネット上で大きな話題を呼んだ。汝矣島に行くことこそが、大韓民国を考える“目覚めた”市民であり、内乱陰謀者とクーデター勢力を清算できるという認識が強く広がった。若い女性の間では、弾劾集会に参加して写真を撮り、SNSに投稿することが流行のように広がった。しかし、彼らの多くは弾劾の本質や、集会参加の真の目的には関心がない。

 国政を麻痺させ、22回もの弾劾案を可決させ、さらには大統領執務代行である首相まで弾劾しようとする集団が、果たして大韓民国のためになるだろうか。社会の混乱を主導し、デマを流して国民分裂を助長する人々こそが、内乱勢力と言えるのではないだろうか。

「反米、反日」を掲げながら「旅行と留学は『しなくてはならない』」

 実際、汝矣島で開かれる弾劾賛成デモは、過去に芸能人を動員した官制デモとよく似ている。民主党側の芸能人たちはここで公演を行って世論を集中させ、飲食物を提供したりもする。しかもこのデモには中国人など外国人も参加しており、ネットを通じて組織的に行動指針を指示したり、あるいは日当を支給するデモ参加のアルバイト募集も数回見つかっている。

 しかしこうした状況は、12月中旬、あるインターネットサイトで始まったCIA通報運動の影響で停滞した。一部のインターネットユーザーがデモ隊の写真を撮ってCIAに情報提供し、米国入国のためのESTA(電子渡航認証)が大量に取り消されたのである。大手企業の社員から交換留学生、一般市民に至るまで、米国への入国を準備していた人々の中で、デモに参加した者は、その個人情報がCIAに伝えられ、弾劾デモへの参加者には米国入国を許可しない、というケースが広がり始めたのだ。