【紅白歌合戦】本木雅弘がコンドームを巻きつけお茶の間を戦慄させた衝撃事件〈再配信〉Photo:Pacific Press / Getty Images

ダイヤモンド・オンラインの記事の中から、年末年始に改めて読み返したい記事をピックアップ!再配信でお届けする。(記事初出時の公開日:2023年12月30日)

年を取ると、過去の出来事がいつ頃のことだったのか感覚が鈍くなる。自分ではつい最近のように感じるのに、若い人と話すと「いや、それ生まれる前です」と返される。

薄れゆく時間の感覚を取り戻すべく、今20歳の人が知らない、生まれる前のことを思い出そうというのがこの記事の趣旨だ。ちょうど年末、今回は1992年の「NHK紅白歌合戦」の衝撃事件を振り返ってみる。(エンタメ評論家 徳重龍徳)

モックン、伝説のステージ

「ガンバレ、みんなガンバレ、月は流れて東へ西へ」

 現在ホンダの新型SUV「ZR-V」のCMでは、LEO今井が歌う『東へ西へ』が流れている。

 もともとは井上陽水の1972年のアルバム『陽水II センチメンタル』に収録された曲だが、この曲のカバーがCMに使われるのは初めてではない。1992年に本木雅弘がカバーし、本木本人が出演する「リゲイン」のCMとして起用された。

 本木は同年『東へ西へ』を引っ提げ、「シブがき隊」として1986年に出場して以来となる紅白歌合戦に出場するのだが、これが伝説となった。

コンドームに凍りつくお茶の間

【紅白歌合戦】本木雅弘がコンドームを巻きつけお茶の間を戦慄させた衝撃事件〈再配信〉1993年の本木雅弘 Photo:産経新聞社

 紅組の荻野目洋子に続く、12番目の歌手として登場した本木は、全身真っ白の衣装に身を包んでいた。

 白組を意識してかというと、どうも違う。首にはコンドームを房のようにぶら下げたネックレスをつけていた。コンドームにはご丁寧に白い液体まで入っている。

 紅白はまだ子どもも起きている序盤の時間帯。しかも、この年の関東地区の視聴率は55%で国民の半分以上が見ていた。お茶の間は凍りついた。

 しかしジャン・コクトーを愛し、先鋭的芸術に傾倒し、前年91年には篠山紀信の撮影でヘアヌード写真集『white room』も出した本木雅弘である。後年、当時について「メジャーとマイナーの狭間を歩くエッジな存在でありたいみたいな、そんな意識で仕事を選んでいた」と振り返っていただけに、ファッションだけで終わるはずがない。