パーパスで一貫性が宿り
アイデンティティを与える
パーパスのこうした働きは、事業開発や組織改革を含む様々な形でのイノベーションを推進する上で、非常に重要です。
実際、パーパスが明確に理解されている企業ほど、イノベーションや変化創出に成功しているという相関関係を示す調査結果もあります。
黒川公晴 著
・経営の一貫性を確保し、意思決定の質を高める
明確なパーパスにより、様々な意思決定に一貫性が宿ります。一見して異なる経営判断や事業案が推進される場合であっても、リーダーがパーパスに沿ってそれぞれの取り組みの意味合いをしっかりと説明することで、従業員の間に信頼と安心を醸成することができます。
また、短期的な収益性や損失に過度に惑わされることなく、経営も従業員も納得する形で実行に向かうことができます。
・ブランディングを通じて自社を差別化する
たとえ同程度の品質・性能で類似の製品を提供する競合他社が存在していたとしても、力強いパーパスは企業に独自のアイデンティティを与え、市場での差別化を可能にします。
組織論やリーダーシップ開発で有名なサイモン・シネックが著書『Whyから始めよ』のなかでApple社等を引き合いに出しながら説明しているとおり、優れた企業ほど、売るモノ(What)や品質(How)ではなく、自分たちの存在意義や社会に果たす使命(Why)によって消費者の心を掴む傾向があります。